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守山の文化財

新指定文化財「絹本著色聖徳太子勝鬘経講讃図」を紹介します

2016年2月10日

1 文化財の種類 守山市指定文化財(絵画)  kaiga0012
2 名称 絹本著色聖徳太子勝鬘経講讃図
3 ふりがな けんぽんちゃくしょくしょうとくたいししょうまんぎょうこうさんず
4 時代 室町時代
5 所有者 少林寺(守山市矢島町1227番地)
6 現在の所在地 滋賀県立琵琶湖文化館に寄託
7 指定年月日 平成28年1月15日

少林寺(守山市矢島町)には数々の文化財的価値の高い歴史資料があります。すでに文化財に指定されているものが、天然記念物の銀木犀を含めて7点ありますが、その他にも調査・保存を必要とするものが数多くあると考えられます。
この度、50年以上前から琵琶湖文化館に寄託されている、標記の聖徳太子勝鬘経講讃図について、その価値を高く評価し、未来に永く残すために市指定文化財として指定するに至りました。
これで少林寺の指定文化財が8点となりました。

聖徳太子勝鬘経講讃図とは聖徳太子が「勝鬘経」という経典について、その教えを講義している姿を描いたものです。平安時代に同じ場面が描かれた絵は全国に多数ありますが、そのほとんどは聖徳太子の生涯を描いた絵巻物の中に一場面として描かれています。少林寺の勝鬘経講讃図のように単独で描かれた絵画は希少で、奈良の法隆寺や三重の西来寺、兵庫の斑鳩寺などに伝わるものは国の重要文化財に指定されています。
少林寺の絵も他の聖徳太子勝鬘経講讃図と同じ構成ではありますが、法隆寺のものに描かれた聴衆(恵慈(えじ)、覚哿(かくか)、小野妹子、蘇我馬子(そがのうまこ)、中大兄皇子)と西来寺のもののように室内のしつらえを合わせて描き、しっかりした筆さばきと細かな描写が見られることは特筆すべきです。
なお、「勝鬘経」とは大乗仏教の経典です。「勝鬘夫人(しょうまんぶにん)」という女性の在家信者が、大乗仏教の教えを説いたもので、釈迦がそれを正しいものと認めたと言われています。「仏の真実の教えは唯一であり、それによって全ての人々は平等に成仏する可能性を内面に持っている」ことを説いています。



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