服部遺跡から見つかった飾り櫛は弥生時代後期の溝から出土したものです。服部遺跡の象徴的な遺物として、銅印「乙貞」とともに玄関右横に建つモニュメントにもなっています。 今回は、見つかった状態と使われていた当時の状態を想像して復元しました。 |
展示期間:平成27年8月26日(水曜日)から9月30日(水曜日)まで
展示場所:守山市立埋蔵文化財センター展示室
この櫛はその形から「竪櫛」と呼ばれています。大きさは幅が約4.5㎝、櫛歯がなくなっていますが、8.1㎝の長さが残っています。木製で、髪に差す歯は5本を削りだし、櫛頭には左右対称の装飾の透かし彫りと渦巻文を施し、赤色顔料を塗って色鮮やかに仕上げています。きっと黒髪に差すと映えたでしょう。
中国の書物である『魏志倭人伝』からは、「弥生時代の女の人は髪を結っていたこと」がうかがわれます。また、古墳時代の埴輪からは、櫛は「現在のように髪の毛を梳くというより、髷のような髪型にさして髪留めのようにして飾るアクセサリーとして使われていたこと」が考えられます。
竪櫛の出土は全国的に見ても少ないため、一般的にひろく使われていたものではなく、まつりなどの大切な日に特別な人だけが髪に飾る事ができた貴重なものだったのかもしれません。